ギリギリ以下の時は

仕事少し出来るようになったときに先輩から「仕事の断り方」を教えてもらった。

断ると一度は他所に行くが、結局値段が続かずに戻ってくる。
だから〝ギリギリ以下の時は本音で断れ〟と。
大抵は客が納得してくれていたのだけど、今やそう言う時代でもなくなった。

一度は11月ごろにカレンダーの注文が舞い込んできたことがあった。
カレンダーは春に来年の暦が発表されると同時に企画が立ち、色々なデザインのカレンダーのサンプルを作り出す。
これはカレンダー屋と言う狭い人達の仕事で夏までに受注して年末に納めると言うサイクルで毎年、成り立っている。
それを11月になって、突然2週間でとか訳の分らない仕事だった。
お客は印刷屋で大手からの下請けで断れないと言う。〝何とかなるか?!〟と、期待してきたらしいが、カレンダーの止め方に特許も絡んで大手でないと出来ない。
結局、元の大手に話が戻って担当の営業は大目玉を食らったとか…

又、或るときは面倒な加工の要る作業の入った印刷物の仕事がこれまたお客の印刷屋から入った。
お客の要望は分るが、要望は時に横暴だ。
値段が合わないのでそう言うと、〝もう少し時間をやるから何とかしてくれ!〟と、哀願された。